法人には株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、NPO法人、事業協同組合、一般社団法人、一般財団法人、社会福祉法人などがございます。
会社ー株式会社、合同会社、合名会社、合資会社
会社の設立手続き
自営業者がその事業を法人化する場合(法人成り)、数人が出資して新たに事業を始める場合等営利目的の事業を始めるには、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社のうちから選択するのが自然です。 そのうち株式会社と合同会社は社員(株主)が出資した額についてだけ責任を負う有限責任であり、合名会社は社員がその出資額に限定されることなく責任を負う無限責任であり、合資会社は有限責任社員と無限責任社員から構成されるという違いがあります。株式会社は比較的大規模な事業に適しています。 まず定款という法人の基本的事項を定めたルールを書面で作成します。株式会社の設立の場合、定款作成の際に公証役場で認証を受けなければなりません。定款認証は、公証人という公務員に定款が有効に成立していることを認めてもらうことです。他の会社は定款認証は不要です。 設立時に作成する定款には株式会社、合同会社、合資会社、合名会社ともに4万円の収入印紙を貼付しなければなりませんが、電子定款にすると印紙の貼付義務は免除されます。 定款作成後は資金の出資、役員の選任、創立総会の開催を経て、法務局で設立登記をすることになります。
一般社団法人
一般社団法人の設立手続き
一般社団法人は団体の公益性や目的内容については基本的には不問で設立の認められる団体です。 例えば同窓会の規模や行事、催し物等の量が増え、金銭の管理や運営が大変になった場合に法人化して金銭の管理や運営を組織化する場合に用います。 最低2名の社員(一般的に使われている従業員のことではなく法律的には株式会社の株主のような存在)が必要になりますので、株式会社のような株主(社員)が一人のいわゆる1人会社は認められません。 一般社団法人の機関は各社員が構成員となる社員総会、1名以上の理事(理事会を設置する場合は3名以上)、各理事が構成員となる理事会(任意)、理事会設置社団法人の場合に必要な1名以上の監事が必要になります。 まず定款を作成します。一般社団法人の場合株式会社と同様に定款認証も必要になります。その後役員の選任や、設立時理事の調査を経て法務局で設立登記をすることによって成立します。
一般財団法人
一般財団法人の設立手続き
一般財団法人も一般社団法人と同じく団体の公益性や目的内容については基本的には不問で設立の認められる団体です。 財団法人は財産に対して団体の法人格が与えられる法人です。設立の際には発起人が300万円以上の財産を拠出しなければなりません。財団法人は財産に対して法人格が与えられるため、会社のように社員(株主)はいません。ここで社員というのは一般的に従業員の意味で使われている正社員とは異なる概念で出資者のことであります。 一般財団法人には最低理事3名、評議員3名、監事又は会計監査人の役員が必要になります。また理事会、評議会の設置が必要です。 一般財団法人は公益性が必要ではありませんが、公益性の認定を国から受けると公益財団法人となることができ、税制が優遇されることになります。 まず定款を作成します。一般社団法人の場合株式会社と同様に定款認証も必要になります。その後、設立者による300万円以上の財産の拠出、役員の選任等を経て法務局で設立登記を完了させることで一般財団法人が成立します。
NPO法人
特定非営利活動一覧 |
1 |
保健、医療又は福祉の増進を図る活動 |
2 |
社会教育の推進を図る活動 |
3 |
まちづくりの推進を図る活動 |
4 |
観光の振興を図る活動 |
5 |
農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動 |
6 |
学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動 |
7 |
環境の保全を図る活動 |
8 |
災害救援活動 |
9 |
地域安全活動 |
10 |
人権の擁護又は平和の推進を図る活動 |
11 |
国際協力の活動 |
12 |
男女共同参画社会の形成の促進を図る活動 |
13 |
子どもの健全育成を図る活動 |
14 |
情報化社会の発展を図る活動 |
15 |
科学技術の振興を図る活動 |
16 |
経済活動の活性化を図る活動 |
17 |
職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動 |
18 |
消費者の保護を図る活動 |
19 |
前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動 |
20 |
前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動 |
NPO法人の特徴 |
1 |
特定非営利活動とそれ以外の事業は会計を別に処理しなければならない。 |
2 |
役員は理事3人以上、監事1人以上必要 |
3 |
役員のうち報酬を受ける者の数が役員の総数の3分の1のみとなり、その他の役員は給与として毎月一定額が支給されなければならない。 |
4 |
会員(社員)は10人以上必要 |
5 |
毎事業年度の初めの3か月以内に前事業年度の事業報告書を開示しなければならない。 |
6
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民間の団体であるも、行政機関による監督を受ける。 |
設立手続き
設立費用
NPO法人はボランティア活動等、下記表1〜20の営利を目的としない活動(特定非営利活動)を主な業務として設立が認められる民間の団体です。 下記の特定非営利活動のに必要な資金や運営費を賄うために、活動に支障がない限りにおいてそれ以外の事業を行うことができます。 NPO法人設立のためには事業計画書や収支予算書等を作成し役員構成等をして公的機関の認可を受けなければなりません。認可を受けた後法務局で登記をすることにより設立が認められます。 定款認証は不要、定款印紙も不要で、認可手数料、登録免許税もかかりません。
事業協同組合
設立手続き
中小企業者が互いに協力し、助け合う精神(相互扶助の精神)に基づいて協同で事業を行い、経営の近代化・合理化と経済的地位の向上・改善を図るための組合です。事業協同組合は組合員の事業を支援・助成するためのものならばほとんどすべての分野の事業が実施できます。 設立も同じニーズを持った事業者が4名以上集まれば比較的自由に設立することができるため、広く普及しており最も代表的な組合です。 外国人技能実習生の受入れを行う管理団体になることも認可を得れば可能です。 まず、定款、設立趣意書、事業計画書、収支予算書の事業の概要を示す書類等を揃えて都道府県に認可申請を行います。認可がなされると、認可証明書等を添付して法務局に登記申請をして事業協同組合が成立します。 設立にかかる費用は各組合員が所属する法人の登記事項証明書等になります。